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ルーシュの捕食者1

ロバート・モンロー著 『魂の体外旅行』の中に、
「インスペックス」と呼ぶ知的生命体を通して知ったこととして、
「ルーシュ」の話が出てくる。

ここでも、やはり、人間という存在が、「補食」の対象として前面に出てくる。
ただ、これまでは、「捕食者」という特定の「存在」に注目していたのに対し、
この話では、そのような「補食」のシステムが、
宇宙全体でどのような意味をもつかが問題とされる。
実際、「補食」ということを問題にする限り、どうしても、
このようなことも、問題とせざるを得ないはずである。

宇宙の「補食」のシステムとは、要するに、全体として、
宇宙または宇宙に生きる生命体が活動して行くために、
必要とされる「エネルギー循環」のことにほかならない。
「ルーシュ」というのは、その宇宙全体を動かして行くための、
効率の良い「燃料」というほどの意味である。
そして、宇宙全体にとって、その「ルーシュ」生産の要となるのが、
人間という、肉体と意識を有する存在なのである。


物理的にも、宇宙は本来、「エントロピー増大」の法則で、
放っておけば、「熱的死」といわれる「一様」な状態に至るとされる。
よく、部屋を掃除しないで放っておけば、乱雑さが増すこと。
一滴のインクを水に垂らせば、一様に溶け込んでしまうことにたとえられる。
そのような状態を阻止するには、その法則に逆らって、
それなりの「仕事」がなされなければならない。

これは、あくまでたとえだが、「ルーシュ」というのは、
この場合の「仕事」に相当するものといえる。
つまり、宇宙全体の活動状態(低エントロピー状態)を維持するための、
一種の「犠牲」的な労力ということである。
人間は、そのような役目を負わされている、というよりも、
むしろ、そのためにこそ創造されたということにもなる。

カスタネダのドンファンも、「捕食者」は、宇宙の本質的一部であり、
人間は、意識ある存在として、宇宙そのものの探索のための道具となる、
ということが述べられていた。
しかし、ここでは、もっと端的かつ具体的に、
宇宙全体が人間に対してなしたことが述べられている。


―「誰か」と呼ばれる、「宇宙の創造に関わる者」たちは、
様々に、宇宙の活動のために効率の良い「ルーシュ」の生産方法を試した。
が、その結果、結局、人間から、苦痛と葛藤のエネルギーを抽出することが、
その最も効率の良い方法であることが判明したという。

それは、初め、人間同士の争いから、
良質の「ルーシュ」が採取されることから分かった。
次に「誰か」は、自らの一部を人間に注入したみた。
すると、人間は、それとの完全な「一体性」を求めて、
より強く葛藤し、さらに良質の「ルーシュ」が採取された。
さらには、「男女」を分断することによって、いわば引き裂かれた人間から、
さらに良質の「ルーシュ」が採取されることとなった。

そのような、様々な試行の結果、現在は、この「誰か」を見習った
(あるいは「任された」)「ルーシュ」の「収集役」が、
「地球の管理者」として、独自に、効率的な収集を行っているという。
それは、「愛」「友情」「家族」「欲望」「憎しみ」…
「国家」「戦争」「飢餓」などを通して、行われる。―


要するに、人間を、より「分裂」した状態におき、
「達成不可能な欲望」を植え込むど、苦痛や葛藤が、
より強烈で深刻であるほど、宇宙全体にとって、
効率の良い「ルーシュ」となるというのである。
そのようなことを通して、宇宙全体に、活動状態維持のための、
「燃料」が供給されるということである。

また、「補食者」ということでは、ここでは、
現在の「ルーシュの収集役」または「地球の管理役」として
登場しているものが、それに当たるだろう。
しかし、もちろん、すべての宇宙の存在が、
「補食者」的であるということなのである。

これらは、一見奇異に聞こえるが、宇宙一般の霊的存在にとって、
人間の苦痛から発する感情エネルギーが、
「食糧」または「資源」となるということであれば、
その延長上に、理解できることではあるはずである。
かなり、一面的ではあるが、要するに、突き詰めれば
そういうことになるということは、否定できないと思われる。


カスタネダと同様、モンローも、この話を聞いて、強いショックを受けて、
しばらくは、立ち直れなかったという。
確かに、このような話は、ショックには違いないだろう。
が、冷静に考えると、それは、決して「補食」というシステム全体に
関わるものではないことが分かる。
我々は、現に他の動植物に対して「補食者」として立っているのであり、
「補食」というシステムがあること自体は、
疑いようのない現実として受け入れている。
だから、その点について、いまさらショックを受ける理由はない。

それは、要するに、我々が「補食」の頂点に立つものではなかった、
ということに関わるのであって、逆に言えば、それは、単に、
我々が(「井の中の蛙のように」)補食の頂点に立つと思い込んでいたことの
反動に過ぎないともいえるのである。

また、この話にも、我々人間自身が、いわば「創造された」「創造者」
なのだという話が出てくる。このようなシステムの創始者である「誰か」とは、
まさに、その一部を注入された、一種の「分身」でもある、
「我々自身」ということにもなるのである。
決して、人間が、一方的、他律的に、
「被害者」的な立場にいるものとばかりは、いえないのである。

我々自身もまた、現在、高度にシステム的な、産業社会を築いているが、
これは、まさにここで述べられた、宇宙的「ルーシュ」生産システムの
「ミニチュア」版のようなものともいえる。
まさに、我々自身、同様なことをしでかしてもいるのである。

(そのシステムの中では、一見些細で意味のない仕事も、
全システムの存続に、何らかの意味で貢献しているのが明らかである。
それと同じように、この宇宙の中で、さまざまに苦悩し、葛藤することは、
全体としての宇宙の存続に、大いに貢献していることになる!)

ただ、この話では、結局、その「ルーシュ」による「宇宙のエネルギー循環」は、
何のためになされるのか――端的には「宇宙の存在目的」――ということには
触れられていない。あるいは、そのようなものはどうあれ、何しろ、
宇宙の活動状態が維持されなければならないから、
そうされているだけなのだというのが、本当のところなのかもしれない。


しかし、やはりモンローから指導を受けた、ブルース・モーエンという人が、
「ヘミシンク」を通して、体験した話として、この点について、
興味深いことを述べている。(『死後探索4―人類大進化への旅』)

それによると、初め、「創造者」である「存在者」は、自分の回りを取り巻く、
得たいの知れない「大いなる未知」に恐れを抱いた。
「存在者」は、その探索をしたいと思い、自らの一部を
「分身」としてさまざまに集めたものを創造して、そこに飛び込ませた。
ところが、それらは、「大いなる未知」に突入すると、
崩壊してしまって、戻ってくることがなかった。

そこで、「存在者」は、さまざまな実験を繰り返すが、
結局、それらの分身は、「無条件の愛」をもって、
全体を「統一」していない限り、そこで崩壊せずに、
帰ってくることができないことが分かったという。


かなり単純化された、「物語」のようなものではあるが、
非常に示唆的ではある。「存在者(創造者)」を取り巻く「大いなる未知」とは、
これまで述べてきた「虚無」または、ドンファンのいう「無限」そのものと解される。
「創造者」は、自らにとっても「未知」で、恐怖の対象である
「虚無」または「無限」の探索のために、
人間その他の生命を創造した、ということになる。

しかし、その過程で、そのためには、「無条件の愛」を獲得させることが、
必要なことが判明した。そこで、まずは、「無条件の愛」の獲得に向けて、
いわば進化的に、迂遠な道をとらざるを得なくなったという風にも解される。

そうすると、先にみたような、「ルーシュ」生産のシステムは、
まさに、この「無条件の愛」獲得に向けて、宇宙が回って行くための、
外的条件のようなものといえる。
しかし、それとともに、最終的には、そのシステム自体が、
そこに至るめの、よくできた(あるいは、極端に迂遠な?)方策ともみなし得る。
「無条件の愛」自体が、最終的には、
最良の「ルーシュ」となる可能性があるからである。


しかし、それはもちろん、あくまで、「創造者」自身の
「大いなる未知」の探索を、全うするために作られたシステム、ということである。

「虚無」への侵入や崩壊という、まさに分裂病の原点ともいえるような事柄が、
宇宙的な創造の根本的な原因として出てくる訳である。
多くの者にとっては、まったく、奇妙奇天烈な視点かもしれないが、
私自身は、これまで聞いたものの中でも、
最もと言ってよいほど、説得的なものを感じる。

それはともかく、いずれにしても、「補食者」という捉え方を、
本当になそうとするなら、その背景となる「宇宙全体」のシステムのことにも、
思いを寄せることが必要になるのは、確かなことのはずである。


◆『魂の体外旅行』-「ルーシュ」の生産/狂気をくぐり抜ける
http://tiem.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post-3e86.html より抜粋編集


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Author:Nada
オカルト・陰謀論・不思議などに興味があります。主にD.アイク氏、無明庵EO氏などに影響を受けてます。
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